**1990年7月**
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N7DUU/6 1990夏
N7DUU/JF3PLF
あー暑っ! 日本に帰ってきて、本当にそう感じます。私は、今夏、3回目のアメリカ旅行をしました。一応無線機も
持参し、曲がりなりにも無線家らしい行動もとって来ましたので、その報告をしたいと思います。
§1.旅行の目的は?
旅行前からいろいろ噂は飛び交っていたようですから、この辺でそろそろ種明かしをしなくてはなりませんね。今回の
旅行は2人旅でした。同行したのは、みなさんのご推察の通り、NX(*注)です。・・・・なら,新婚旅行か、というか、
というとそうではないのです。形式ばったことの嫌いな私たちは、結婚式というものをやりません。ですから、今回の
旅行そのものもが結婚式のようなもの、言うなれば『結婚旅行』と呼ぶのがふさわしいかも知れません。「先生」とか
いうものは,時としてこういう変わったことをしでかすものです。特に気になさらないで下さいネ。
さて、もう一つ変わったことを,それは2人が必ずしも同一行動を望んでいたわけではないということ。彼女は広大な
アメリカの土地で絵を書きたかったのです。私は,言わずと知れたことで、無線をしたかった訳です。
*NX:私の作った新語。New XYLのつもり。XYLっていうのは、
「もとYL」という意味でしょ。なんか,お古みたいでかわいそう
なので、新しいイメージを加味して製作(?)しました。
§2.予定と実際
予定では,7月31日に出発し、8月24日に帰国することになっていました。ところが一部の方はご存じの通り、
私たちは予定を繰り上げ、12日には帰国しました。いきなり夫婦喧嘩? いえいえ、そんなんじゃありません。
NXが体調をくづしまして・・・・。私も悪いんですね。私はサモアだってベトナムだって、どこだって平気ないい加減な
人間。旅程はとりあえず決まっているものの、あっちでの航空券は全部オープンチケットだし、宿泊にしても「ホテルなんか、
その町に着いてからでええわ」なーんて感じの旅だったのです。それが、これまでそんな経験のない彼女にはこたえたんで
しょうね。それでも、私に気を遣って、最後まで無理してたものだから・・・・・・。私自身、だいぶ反省しないといけません。
ハイ。
で、結局行ったところはサンフランシスコとロスアンゼルスの周りのみ。JANETのあったバンクーバーや、4U1UNの
あるニューヨークには、行けませんでした。それでもいいのです。海外旅行はまたいつでも行けますが、NXの代わりは
ないのです。
§3.N7DUU/6
私は,FT−757GXと同軸2本,ダイポール用のバランや電線をスーツケースに隠し持って(?)いました。
サンフランシスコは滞在が短かったので、これを取り出す機会に恵まれませんでしたが、次の滞在地であるサン・ワン・
カピトラノ(ロサンゼルス近郊の田舎町)でQRVを試みました。
8月3日、ホテルの裏にダイポールを張りました。21です。しかし、シーン。芯線だけをつないだ方がよく聞こえるの
です。2本継ぎ足した同軸,どちらかが不良だったのでしょう。ホテルの表なら同軸が1本で足るのですが,訳あって
やめました。
5日、LAへ、ハワイでJA3RCTさんが買ったようなハスラーのアンテナでも買おうかと行ってみましたが、日曜日で
店は休み。明くる日、もう一度行ったのですが,その話は次の項で。
6日、ふと思い立って、ホテルの表に逆V型ダイポールを張りました。21はだめ。14ではいろいろ強い局も聞こえて
来ます。寸法を計算しなおして、14のアンテナに変えました。やっと、この日、念願のQSO成立。東京大学とつながり
ました。
翌日から、昼間にもQRVしようと思ったところが、フロントから電話。「だれかひっかかってケガをすると困るから、
コードを取ってくれ」と。フィーダーがなければ無線はできません。かくして、昼間のQRVは諦め、深夜だけにしたの
でした。8日、9日とQRVしましたが、合計QSO局数は,5局に終わりました。同じ頃、ポナペでは、5人で6000局!
とか言って盛り上がってたんでしょうね。少々欲求不満。旅行前、ポナペとアメリカで交信しよう、なんて言っていましたが、
それもダメでしたね。聞いてはいたのですが、私のアンテナが悪いからでしょうね。一度も聞こえてきませんでした。それと、
もし聞こえてきたとしても呼べなかったのではないでしょうか。・・・・・というのは、私はアメリカのジェネラル・クラスで、
出られる周波数に制限があるのです。
例えば、14のSSBなら225より上とか、21なら300UPとか。ほんと、エクストラまで取らないとね。
§4.HENRY RADIO
この旅,無線は5局しかやっていませんが,やはり無線家は無線家。足は洗えませんね。LAでは、HENRY RADIOに
行ってきました。目的はホテルででもできるようなアンテナを買うこと。と、と、ところが!行く道で買ったCQ誌が悪かった
のです。一目ぼれしてしまったアンテナがあって、買ってしまったのです。それはAEAと言う会社の新製品「ISO LOOP」
というやつ。マッチングセクションのついた小さなループアンテナで、これ1個で14〜30まで出られます。チューニングは
コンピュータ制御とかで、部屋の中のコントローラの操作で自動的にできるようです。マンションでも設置できること、18や
24に出られること、150W入力まで耐えらること、などが気に入って、$300をはたいて買ってしまいました。
ホテルから出よう!と言う当初の目的からだいぶはずれてしまったこのアンテナ、持ち運ぶのも大変で、結局日本へ船便で
送るハメになりました。ハハハハ・・・・・・。
あ、HENRY RADIOのこと、何も書いていませんでしたね。この会社、とても小さな会社で、ロサンゼルスの
ダウンタウンからだいぶ離れた所にあります。バス路線もいい加減で、行くのに随分苦労しました。日本ではリニアアンプで
有名ですが、自作のリニアアンプばっかり売っている店ではありません。(このことは、8年前にも行っているので知って
いました。)日本でいうニノミヤや日栄のようなもので、電気部品類からYAESUやKENWOODのリグまで売っています。
全然愛そうがよくなくて、また従業員もメキシコ人やチリ人、日系人など,訳が分からない構成でした。せっかく来て普通の
客みたいにすんなり出て来るのもしゃくなので、従業員と名刺&カード交換をして、その内の日系人のおっちゃん
(WA6FJT・クダさん)と写真を撮ってきました。TXRさんみたいでしょ(?)。
§5.アメリカというところ
私自身,アメリカは3度目ですが,本当におもしろい所です。人種は様々。どんな人がどこにいてもおかしくない。
私達だって、もしも観光客らしいいでたちを脱ぎ捨てることができれば、別にアメリカ人として十分に通用するのです。
それに、アメリカでは他人が何をしていようと、特にとやかく言わない。日本では、どこにいても「他人からどう見られ
ているだろうか」という『体裁』が重んじられるし、中元、歳暮に象徴されるような形式的な関係が無視できません。
私なんかみたいな変な人間には、そんなヤツでも社会的に「変人」と見られず「個」が認められるアメリカという国が、
とってもFBに見えるのです。また、今回行ったカリフォルニアの辺りは、気候もとてもよく、冒頭にも書きましたが、
日本がとても住みづらく感じられます。ま、物質的には日本の方が豊かですし、無線の機器なんかも楽に手に入ります
けどね。でもその分あちらじゃ包括免許、リニアOKと言った別の魅力がちゃんとあるのです。あっちに住もうかな。
§6.NXの話
もうしばらく、ベールにつつんだままにさせて下さい(・・・・・・・と言いながらも、既に京都府支部大会の日に目撃して
しまった人もいるようですがね)。ただ今アマチュア無線の免許を取るべく修行中(?)です。無事合格しました暁には、
家族会員として京都クラブでお世話になることと思いますので、その筋はどうぞよろしくお願いします。えー、第一発見者の
中山さん、また同じ女性としてのOFXさん、WBWさん、WOFさん等今からお願いしておきますので、お手柔らかに。
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FROM THE LOG OF N7DUU/6 AT SAN JUAN CAPISTRANO
DAY STATION UTC FREQ MODE SENT REC’D NAME QTH RMKS
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8/7 N8JES
0743 14272 SSB 58 59 JOE Michigan 500W+3ELE
JAIZLO 0819 14032 CW 559 539 KOJI 東京大学 830S+5ELE
8 XEIBEF 0819 14033 CW 589 577 HECTOR
JR60SY 0833 14026 CW 549 459 MASA
9 YU3AG/MM 0618 14036 CW 559 559 MILOS Nr LISBON?
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(この記事は1990年6月京都クラブ会報No.245に掲載されたものです。)
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Last Update May 12,2000