**1999年9月**

<<<T88(パラオ、exKC6)>>>

 初めてのパラオからQRV     T88JJ/海老原和夫

<計画から出発まで>
 7月20日からはJH3FJG/JI3DLIさんたちが運用され、そしてまた2ケ月も
たたない間に私たちが運用した訳ですから、何局かのパケットクラスターでお馴染みの方からは
「京都の皆さん、よくパラオへ行かれますネ」、そして「京都クラブは海外運用にアクティブですネ」
などと声が掛りました。

   京都クラブNews No347号と348号でJI3DLI/JH3FGJの両局が詳しく
パラオの状況などをレポートされてますので、今回はできるだけ重複部分は避けてレポートしたいと思います。

 今回のパラオ運用は、単純なきっかけからでした。
 1998年10月にKH0へご一緒したJM1LJS海さんから「パラオへ行くので運用予定があるのなら免許申請
してきますヨ」のE-mailが入りました。
そして、JA3AJさんからも、一緒に頼んでもらえないかとのBKが有り、すぐに免許関係のコピーや
申請書を彼に送りました。
 1ケ月少しで希望通りのT88JJとT88MMの例の黄色い免許証が海さんから送られてきました。
 その時点ではまだ具体的な計画は無かったのですが、私はDLIさんも書かれてた様に「少しはマイナー」
という点に引かれ、またダイビングをされるAJさんは綺麗な海に魅かれて、そしてもう一つは無線設備一式が
現地VIPホテルに揃っていてT88GN/Georgeさんにお願いすれば使わせていただけるという点パラオからの運用を
計画した訳です。
 5月の中旬に香港旅行を申し込みに行った際、その旅行社に「JAL直行便でいくパラオの旅」という
パンフレットがありました。
   早速、申し込んだのですがホテルを指定でないVIPホテルに変更は不可能とのことでキャンセルとしました。
 それから急遽JM1LJS海さんに紹介していただいたpia-japanの伊藤さんへE-mailで計画を連絡、さっそく
2種類の計画書が送られてきました。JAL直行便を利用するものとコンチネンタル便を利用するものでした。
 出発日や滞在日数をフレキシブルに幅広く選択出来るのはコンチ便ですがKH2でのトランジット時間
(3〜4時間)のロス、そしてKIXからKH2の便の混み具合などを考えると今回は初めてのパラオでもありますので
より無難なJAL直行便を選択しました。
 しかし、それなりにデメリットもあり、まず便数が少ないので出発と帰国便がかなり限定されます。 
1週間の滞在にしたいと思っても出来ない訳です。
 それと、JALの規定では機内預け荷物の重量制限が20kgです。(注)コンチは32kg。
 6月27日にpia-japan伊藤さんにJALチャーター便の9月15日出発、19日帰国という便で申し込みを
しました。
 当初のSKEDでは22時発で現地早朝2時着、帰国便も深夜発の早朝KIX着で、実質運用できるのは
中3日ということで物足りない運用になるなあ〜、と少々不満が有ったのですが、出発直前に伊藤さんから
「緊急連絡」というE-mailが入り、ラッキーにも出発・帰国便ともNIGHT RUNからDAY RUNに
変更となりました。 お陰でほぼ5日間の運用が可能となった訳です。
 3日後には、フライトおよびVIPホテルともOKの返事が有り、いよいよ具体的な計画を立てる段階に
なりましたが、7月末からの京都クラブでのKH0行きの方の準備がQRLになり実際に資料集めやGeorgeさんへの
依頼状発送などは8月の中旬過ぎからになってしまいました。
 現地アンテナの状況や食事、タクシー事情、テレコムの様子などJI3DLIさんには大変参考になる情報を
提供していただきました。(MIN TNX)

 出発3日前にはまだ3.5/7MHz用ワイヤーDPを調整しているという状況でした。
 そして、パッキングを始めてみると、各々のスーツケースの重量ははるかに制限の20kgを超えています。
 荷物のダウンサイジングを試みるが効果なしで、当日のチェックインでどうなるか少し気掛りでした。
 Georgeさんやテレコム・スタッフへの土産物も岡崎のハンディクラフトで購入し、KIXまでの足も
MKを予約、あとは9月15日を待つだけとなりました。

<出発>
 いよいよ9月15日、なんと大型台風10号が関西地方直撃の予報。
 MKタクシーで予定より早めの午前7時過ぎに関空に到着。 関空到着前ころから小雨が降り始めて
きました。
 例の機内貯け荷物の重量が気がかりで、もしオーバーチャージという事にでもなれば、リニアーアンプを
機内持ち込みにしようと考えてましたので一応機内持ち込みが出来るサイズのスーツケースに入れて
おきました。(リニアーアンプは14kgあります)
 そして、チックインで荷物をベルトコンベアーに載せて、重量表示の窓を見ると何と何と「58kg」!!!!
  (AJさんの荷物は別です)  しかし、カウンターのYLさんは何もいわずに、「Heavy」のタグを付けただけでOKになりました。
一安心。
 あとは10時の出発まで2時間あるので、朝食を摂ったりで過ごし1時間ほど前に出発ロビーに入り
窓越しに滑走路を見ているとだんだん風が強くなっていくのが判りました。 地上勤務員の帽子は飛んでるし
大阪湾の波しぶきがだんだんひどくなり滑走路に被るくらいになってきました。
 やばいなあ〜、とは感じてたのですが搭乗案内のアナウンスは定刻の案内をしています。
 他の便は、すごい水しぶきを上げながらの離発着が続いていますので、まだウエイティングにはなって
いない様でした。
 しかし、私たちの搭乗するJAL3469便の搭乗時間の9時50分、やはり「天候不良により搭乗のご案内を
みあわせております」のアナウンス。 
 このアナウンスを聞いて逆に安心したほど、外は風雨がひどくなってきていました。
 こればかりはどうしようもないので、睡眠不足を補うため居眠りをしたり、AJさんとのオシャベリで
時間を過ごしてましたが、案外早く1時間半遅れでTAKE OFFとなりました。
 B−767は完全に満席でしたが、そのほとんどはダイバーでした。
 これから4時間で念願のパラオに到着です。
  
  <パラオに到着>
 KIX〜パラオ間は4時間20分のフライト時間なのですが、出発が台風の影響で遅れたせいでしょうか
 20分早く4時間でパラオ国際空港に到着しました。
 高度を落として着陸体制にはいった15分位前から、眼下には素晴らしいマッシュルーム型をした
 無数の島々の上を旋回飛行してくれました。 これは、お天気がよかったのでサービス飛行だった
 のかもしれません。定刻より1時間少し遅れの15時10分に到着、入国審査も簡単に終わり
 ゲートを出てpea-japanからの迎えのスタッフを探していたら、手を振って合図をしてるYLを発見。
 何と、JAに帰国しているはずのpia-japanの伊藤さんでした。スーツケールなどは、別のバンで
 ホテルまで運んでもらい、我々は伊藤さんの運転するセダンでホテルまで送っていただきました。
 彼女の話では、本来なら今頃はJAに帰国してるはずだがDU経由の帰国便が確保できないので
 まだパラオに滞在しているとのこと。したがって、まだしばらくはパラオに滞在するので何でも
 困ったことがあれば言ってください、とのことで心強い味方ができました。お陰で私達の滞在中、
 彼女には何かにつけてお世話になりました。そして、彼女も度々VIPホテルへ訪ねてきてくれました。

<パラオでの5日間>
 まずは、Georgeさんにご挨拶をとフロントへ行ったのですが、今日は地元の経営者関係の会議が
 夜まであり多分9時頃までは不在とのこと。まだ、夕方5時前ですので早速7/3.5MhzのDPを
 揚げることと、Georgeさんの無線室から14/21/28Mhz用、18/24Mhz用、50Mhz用の3本のANT端末
 から中継接栓で私達の部屋まで同軸を延長(20m)する作業にとりかかりました。 
 フロントに行って従業員のMr.BongにGeorgeさんの無線室を開けてもらうと同時に屋上にあげる
 3.5/7Mhz用ワイヤーDPを建てる手伝いをお願いしました。
 屋上には、GeorgeさんのANTタワーが3基、他にJAのグループがあげているANTが2基、
 給水塔が3つあります。そして、ルーフ面には無数の30〜80cm位の長さの鉄筋が頭を出しています。
 この鉄筋や給水塔には上記ANTのルーフタワーを固定するガイ・ワイヤーが蜘蛛の巣のごとく
 張られており、明るい昼間でも足を引っ掛けて転倒の危険性があります。まして夜間作業となると
 かなり気を付けないと危険です。 もし鉄筋が頭を出している所へでも転倒すれば大怪我くらいでは
 済まない場合もあります。 要注意です。
 JM1LJS海さんが置いていったフジ・インダストリーの伸縮ポールをお借りして(事前に了解済み)
 3.5/7mhz用ワイヤーDPを揚げました。
 出発直前に一応の調整はしておいたのですが、実効高やエレメントの引き下し角度などの条件の違いで、
 周波数が低いところで同調しています。
 7Mhzではフル・サイズで働いてますので割にブロードなのですが、3.5Mhzは短縮型ですのでかなり
 クリチカルです。 一応、これで今回運用する設備全てのセットアップが終了しました。
 設備としては:
  1、 HFトランシーバー:IC-706MK2  2台 (AJ/ARTが各1セットづつ持参)
  2、 リニアーアンプ  :東京ハイパワー製 HL-1Kfx 1台 (ART持参)
  3、 アンテナ     :3.5/7Mhz用 DIAMOND製 W-735 (1.2kw PEP)(ART持参)
              14/21/28Mhz用 3/4/4ele yagi T88GNさんから借用
              18/24Mhz用 3/4ele yagi T88GNさんから借用
   50Mhz用 5 ele yagi T88GNさんから借用

 これで、3.5から50メガまで全周波数で運用できることになり、9月15日から19日までの5日間、
 10メガを除く全周波数でT88MM小川さんが 1,205 QSO, 私T88JJが2,567 QSOの結果でした。

 おおまかな運用形態については、前号で藤原さんと早越さんが書いておられるのと大差はないので
 割愛させていただき、今回は無線以外でポイントになる点や次回どなたかが行かれるときの参考に
 なるとおもわれる点を書いてみたいと思います。
 なお、出発前にパラオについてのガイドブックをさがしたのですが、大型書店でも参考になるものが
 見つけられず、下記については私自身が感じたこと、ホテルにあったパンフレット、飛行機の中で
 配られたパンフレットそしてpia-japanの伊藤さんから入手した情報によるものです。

【パラオってどんな処?】
 旧称ベラウです。 古いDXCC Listでもベラウと書かれていますし、その当時のPrefixはKC6でした。
 ロケーションは日本から真南3,000kmの海域に点在する343の島で構成されています。
 1994年10月1日、国連信託統治領から自由連合国として独立し、人口は17,000人です。
 言語はパラオ語と、公用語として英語が使われていますので何処へ行っても英語は通用しますし、
 また、年配の方では流暢な日本語を話す人が多くおられます。
 また、日本名を付けている人の多いのにも驚きます。
 大統領もナカムラさん、テレコムでは、免許発行で皆さんが少なからずお世話環になっている方が
 アサヌマ女史です。
 VIPホテルのオーナーであるT88GN,Georgeさんも大変日本語がお上手ですし、ローマ字であれば
 日本語での手紙もOKのようです。
 首都はVIPホテルのあるコロールです。
 このパラオの海は世界有数のダイビング・スポットでも有名であり、私たちの乗ったJALチャーター便も
 満席でしたがその99%はダイバーの様でした。

【時差】
 ほぼ、同じ経度上にありますから、時差はゼロなのです。 
 ですからJAにいる時と同じ時間的感覚でオペレートできます。 UTC換算も楽です。

【気候】
 年間平均気温は30度です。 11月から5月が乾期、6月から10月が雨季になりますが、
 ここ数年はお正月期間はずーっと雨だったそうです。
 雨季と言っても日本の梅雨の様にしとしと雨が降るのではなく、1時間位、すごい量の雨が降り、
 あとはからっとやんで太陽が顔を出すといった感じです。
 私たちが行った9月も雨季にあたりますが、夕方少し雨が降った程度で殆ど雨には遭いませんでした。

【通貨】
 USドルがそのまま貨幣として流通しています。

【チップ】
 原則として不要です。

【日本からパラオまでの飛行機便】
 関空からは、JALの直行便(臨時チャーター便)利用とコンチネンタルのKH2経由便を利用する
 方法があります。両方とも一長一短がり、そのときどきの状況で選択されたらいいと思います。
 *JAL便=便数が少ないので日程及び滞在日数が限定される。
     来年初頭3ケ月間の関空発着便は、1月=1便、2月=1便、3月=2便です。
     直行便のため、乗り換えの手間もなく4時間15分でパラオに到着です。
     ただし、機内預け荷物の重量制限がYクラスで20kgと少ないです。
     しかし、前回の私の場合、リニアー・アンプなどでスーツケース2つの合計が
       58kgにもなってましたが追加料金を請求されることもなくOKでした。
 *コンチ便=毎日便なので日程や滞在日数もフレキシブルに選択できます。
     KH2での乗り換え時間(2〜3時間)が必要になり、KH2からパラオまでは
        それから、まだ2時間が必要になりますので全体として7-8時間を要します。
     もし、トランジット時間が4時間を超える場合は一旦空港外へ出されることも
       あり、この場合、KH2への入・出国手続きが必要になり無線機などを持って
       いる場合は面倒です。
     機内預け荷物の重量制限は32kgなのでJAL便よりは有利です。
     KH2とパラオ間は時差が1時間ありますので、要注意です。

【複数波同時運用について】
 複数の設備を持って行って複数のOPが同時運用しようとした場合、いくら周波数関係の
 組み合わせを変えても、相互干渉でのカブリの問題が発生します。
 これは、KH0でも経験しましたし、国内の移動運用の際にも経験しています。
 なにか、特効薬になるパスバンド・フィルターでもあればよいのですが、クラニシから
 発売されているものも全く効果がありませんし、昨年10月のKH0のときもJM1LJS海さんが
 自作して持参してくれた物もダメでした。
 もうひとつは、物理的なこととして、となりでのOPの声によるQRMです。これはお互い様
 ですので、SUB−OPの立場に廻っている人はCWに切り替えるとか、お互いの
 ヘッドフォンをオープン・タイプではなく密閉型を使うなどすると効果があります。
 11月18日からの、V8と9M8の運用では全てを密閉型ヘットフォンを使うこと、
 SUB-OPはCWで運用する様にこころがけたところ、かなり改善されました。
 あとはOPの間で運用ルールを取り決めて解決するしか方法が無い様にも思いますが、
 あまり、ガチガチに決めてもどうかという気もしますし…。

【食 事】
 VIPホテルには、食事が摂れる食堂などはありません。
 朝食は100%、昼食も徒歩5分の処にある大型スーパーで パンやカップラーメンを買ってきて
 済ませました。
 このスーパーは、酒・ビール類、飲料水、日曜雑貨、衣類を含んでなんでも揃いますし、
 カレー風、シチュー風のお惣菜までありますから、温かいご飯があればこれらを買って帰っても
 FBな食事になると思います。
 コーヒー・紅茶のセルフ・サービス用に各階にはいつも沸騰したお湯が供給されています。
 カップ・ラーメンなどはこのお湯を利用します。KH0の時の様にコッフェルと固形燃料を持参
 しておけばもう少し何か変化のある食事が作れるのでFBです。(ガス・バーナーは飛行機の
 場合、NGです)
 また、コンディションが落ち目の時や、ちょっと違うものを食べたくなったら、近くのホテルに
 行けばいいでしょう。昼食(勿論DinnerでもOK)であれは、Palau Pacific Resort(以後PPR)が
 お勧めです。ここは、海岸に面した屋外(屋根は有る)で素晴らしい海岸の風景を眺めながらの
 食事ができます。麺類がお薦め($7)ですが、私はちょっと物足りなく感じたのでステーキ定食($12)
 にしたのですが味も良くボリュームも有り、あとでまだ大きなケーキまで出てきました。
 また、同じアラカベサン島にあるSunrise Villa、VIP Hotelのすぐ近くにあるOutriggerなども
 そんなに高かくなくFBな食事ができます。
 17日のランチをGeorgeさんご夫妻が私たちと伊藤さんをこのOutriggerのレストランでご馳走
 してくださいました。
 夜、ちょっとお酒を飲みながら日本式の食事をしたい時は、これもVIP Hotelのすぐ近くにある
 「どらごん亭」がFBです。経営者も日本人で、居酒屋風の造りになっていて座敷もあります。
 料理も日本ではあまりお目にかかれないシャコガイの刺身(美味しかった)、ナポレオン・
 フィッシュの唐揚げ、ヤシガニやマングローブガニなどがあり、お酒も日本の地酒が揃えてあります。
   海外では、まず生ものは食べない様にしているので、シャコ貝の刺身も抵抗があったのですが、
 伊藤さんの説明ではパラオで過去30年間、食中毒は発生してないし、ここのシャコ貝は
 新鮮だし日本人の調理なので絶対大丈夫という言葉を信じて食べてみました。
 適当に飲んで食べて1人40ドル位でした。 どの料理も美味しかったです。

【島内の交通手段】
 島内には公共交通機関はありません。
 移動は、タクシーということになりますが、これが結構高く、また流しを拾うこともまず
 不可能ですので、いちいち近くのホテルから呼んでもらう面倒があります。
 たとえば、空港までは片道で20ドル位です。 空港にあるテレコムまで行けば当然往復の
 料金が必要な訳で約40ドル必要になります。
 また、PPRまで昼食にいったとしたら、これも往復で約40ドル位になります。
 ですから、私たちは2日間、レンタカーを借りました。
 あとは、幸いなことに今回は伊藤さんの車でかなりちこちへ案内していただきました。

【レンタカー】
 2〜3人で利用するのであれば、高いタクシー代を考えれば割安で便利です。
 1500ccクラスで1日50ドル、保険代が10ドルです。 
 ホテルのフロントにたのべば指定の時間に持ってきてくれます。
 運転免許証は全く不要でした。 確認もしませんでした。
 通行レーンは、右側通行・左ハンドルで日本とは逆ですからなれない人は、注意が必要です。
 現地人の運転マナーはあまり良くありません。
 ガソリン・スタンドは日本と同じく、フル・サービスで給油中に石鹸水で窓ガラスなどを
 拭いてくれたり、エンジン・ルームを点検したりしてくれます。 (チップ不要)

【Division of Transportation & Communication Bureau of Commerce】
 パラオの無線ライセンスは空港建物の2階にあるここで発行しています。
 私たちも、到着した翌日に挨拶にいきましたがアサヌマ女史や免許発行の責任者である
 Lucasさんは出張中でお会い出来ませんでしたが、2人のスタッフがおりJA3の方から
 頼まれていた免許申請書を手渡してきました。

【パラオの無線局免許事情】
 アマチュア無線の免許付与については、まだきっちりした制度が確立していません。
 申請書もコピーにコピーを繰り返した文字の潰れたものです。 申請料は無料です。
 上記の様にJA3の方から無線局免許申請書の手渡しを依頼された訳ですが、この方は
 2度も郵便で申請されたのですが、「なしのつぶて」でした。
 また、JA5の方も同じ状況でした。
 この様な状況なので、パラオの免許は現地へ持参しないと貰えない、との風評が立って 
 います。 たしかに、その様な状況が他にもありますので本当かもしれません。
 Pia-japanの伊藤さんに申請書類1式を送っておけば、彼女がパラオに行った折にテレコムへ
 持って行ってくれます。 少々の不備は、彼女が現地で訂正してくれます。(30ドル)
 免許証はSASEの封筒で郵送されてきます。
 前回、私がJA3のかたに頼まれた分は約2週間で、手元に到着したそうです。
 
【ホテル事情】
*VIP Hotel:(65ドル〜)
 無線をするなら、ANTが完備されているVIP Hotelが最適で多くのかたがここを利用
 しています。ANT借用の依頼状をGeorge(T88GN)さんに送っておく必要があります。
 また、ローケーションも周囲に山などの障害物もなくJA方向に開いておりFBです。
 ただ、近くに高圧線やネオンサインがあるので、間欠的にノイズが出ています。
 そして、コロールの中心部にあるので、警察署、郵便局、電話局などに囲まれており、
 大型のスーパーマーケットもすぐ近くにあり大変便利なホテルです。
 スタッフも皆さん、親切な方ばかりです。

* Nikko Palau:(150ドル〜)
 VIPを利用しない人は、時々ここから運用します。
 コッテージ風の部屋なので、ヤシの木などを利用して、ワイヤーANTが簡単に張れますが、
 JA方向に対して山がありロケーション的にはよくありません。
 ここの喫茶室からは、パラオ松島といわれている素晴らしい眺めを楽しめますので一度、
 コーヒーだけでも飲みに行く価値はあります。途中には、南洋神社跡があります。

* Palau Pcific Resort(PPR):(150ドル〜)
 パラオで一番の高級ホテルです。
 素晴らしく綺麗なプライベート・ビーチを持っていて、無線をしないのなら一押しの
 ホテルです。(T88JJの2種類のQSL-cardはここの写真を使いました)
 もし、無線をやるとしても、日本人の経営でマネージャーも日本人ですから、何かと
 無理は聞いてくれるでしょう。 独立したコッテージがあります。
 アラカベサン島という島にあり、コロールからは一番離れたホテルで、空港からも
 かなりの距離があります。 ちょっと、地理的には車が無いと動きがとれないところです。

* Outrigger Hotel:(150ドル〜)
 VIPのすぐ近くにあるホテルですが、無線は禁止の様です。
 お土産をかったり、食事には便利なホテルです。

* New Coror Hotel:(30ドル〜)
 VIP やOutriggerのすぐ近くにある格安のホテルです。
 無線もOKですし、長期滞在で無線をするなら格安ホテルなのでFBなのですが、
 JA方向にOutrigger Hotelの高層ビルが障害物になってロケーション的には、いまいちです。

【現地での土産物】
 これといったものはありませんが、強いて言えば木に絵文字を彫ったストーリーボードや
 貝細工の民芸品、そしてワシントン条約に抵触するのではと思うのですが、海亀の甲羅
 (べっ甲)のブレスレットや櫛などがあります。
 べっ甲細工は、T88GN,Georgeさんがオーナーのお店があります。 ここは、製造販売ですので、
 他のホテルなどのDFSに比べれば安く買えると思います。
 一般のみやげ物はPalau Pacific ResortにDFSがあります。Tシャツ専門店はVIPホテル
 の前のメインストリートを渡った向い側にパラオ・ショップという店があります。
 また、Outriggerにも土産物店がオープンしていますし、何も買わなくてもここのロビーにある
 オーム貝をデザインした噴水は一見の値打ちがあります。

【旅行代理店】
 個人的にホテル、航空券予約をした方が少しは安上がりになるでしょうが、現地ホテルとの
 FAXや電話でのやり取りなどを考えた場合、最初からpia-japanの伊藤さんに依頼した方が
 簡単で手間もはぶけます。
 彼女は年間で3ケ月位は現地に滞在しているそうですし、また、パラオ通で現地人との人脈も
 かなり有りそうですから安心して任せられると思います。 VIP, PPR, Nikkoなどとは
 それなりのコネクションがある様です。
 VIPのGeorgeさんとは懇意で、彼女自身も最近T88FWのコールを取得しています。

【T88MM(JA3AJ) / T88JJ (JA3ART) QSO Result】
   3.5  7       14        18       21      24      28/29       50 TOTAL
   CW CW/SSB  CW/SSB  CW/SSB CW/SSB CW/SSB CW/SSB/FM SSB
JJ  41 44 113   256 154  277 395  53 396  89 422   16 301 10  0    2567
MM  0  0 424     0  72    0  19   0 305   0 127    0 211  2 45    1205


【その他】
* 午前0時以降は外出禁止です。 要注意です。
* 滞在中、自転車やバイクを見たことがない。
 ただし、白バイ(125ccクラス)が紫色の回転灯を点けてやけに走り廻ってましたが、
 聞くところによると、2ケ月前に導入され、白バイ警官が嬉しくて事件でもないのに
 走り廻っているとの事でした。
* 携帯電話で話している人を見たことがない。
 島が細長くて、携帯の基地をつくるのにサービス・エリアの能率が悪いので、ごく一部の
 エリアでしか使われてないそうです。
* 公衆電話は、コロール地域で数台だそうです。

以上、今回は無線以外のことを主体にレポートしましたが、次回の皆様のパラオへいかれる際の
参考になれば幸いです。
                                      73
                                             (おわり)

(この記事は1999年10月,12月京都クラブ会報No.349-351に掲載されたものです。)

==写真集== 
t88jj-003.jpg (25311 バイト)
        アウトリガー・ホテルにて
 *VIPホテルのオーナーであるGeorgeさんが夕食に招待してくれました。
  左から、Georgeさん、pia-japan伊藤さん、George's XYL & ART


t88jj-002.jpg (17397 バイト)
  Palau International Airport  
 *ここの2階にテレコムがあります。 

t88jj-004.jpg (20907 バイト)
 WCTC Shopping Center。VIPホテルから徒歩5分・
 *広くて、綺麗で、品物も結構豊富。カップラーメン、スナック菓子
  ビール、飲み物、シチューなどのお総菜、その他日常雑貨なんでもOK。
 
           

t88jj-005.jpg (14480 バイト)
VIPホテルに屋上に揚がっているアンテナ群

t88jj-006.jpg (20484 バイト)
VIPホテルのマネージャー?Mr.BONG(ボン)
 *ANTの設営や撤収を手伝ってくれた、気さくなお兄ちゃん。


t88jj-007.jpg (21296 バイト)t88jj-008.jpg (18570 バイト)
     
T88MM                            T88JJ

t88jj-009.jpg (26676 バイト)t88jj-010.jpg (20571 バイト)
初日15日に伊藤さんが案内してくれた居酒屋にて。 シャコ貝の刺身やヤシガニなど、
JAでは超珍味を 賞味できた。 特にシャコ貝の刺身は超美味だった。
右は、pia-japanの伊藤さん。


t88jj-011.jpg (22879 バイト)
こんな素晴らしい風景が楽しめます。勿論、海水浴もできます。
砂浜もこまかい真っ白な砂で、ゴミひとつ落ちてない。

  
t88jj-012.jpg (18499 バイト)t88jj-013.jpg (22174 バイト)
       
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