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油彩
子どもの頃、初めて海へ連れて行ってもらった時に描いた絵です。左側は海で、中央の曲線が示すように波が寄せていました。海はブルー1色ではなく、様々な色をしているという発見は、感動でした。なぜか右側の砂浜に描かれた魚や巻き貝、ヒトデ……。それでも「海」という意味では、私の中に矛盾はないのです。 |
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油彩
小さな頃、大好きだったお母さん。頭にリボンをつけ、精一杯お化粧をして、素敵に描いたつもりです。子どもって、小さい頃はお母さんへの思いが強いんですよね。そのせいかどうかは分かりませんが、「おとうさん」の絵はありません。このお母さん、きれいでしょう? 張り切っているように見えませんか。 |
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アクリル
高校の美術の時間に、「レコードジャケットを描きなさい」という課題が出ました。小さい頃からピアノを習っていたので、自分のピアノのアルバムが出せたらジャケットも自分でこんなふうに……と想像しながら描いたものです。ピアノのレコードを出すなんて夢は叶わず、このジャケットだけが残りました。……なので、タイトルも「夢」なんです。 |
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フエルトペン
高校時代、ジャズダンスを習っている友達に連れられ、教室の見学に行きました。すごく格好良くて憧れましたが、実際に習うことは叶いませんでした。ステージでの派手なメイク、黒のスパッツにレッグウォーマー姿で踊っているのは、ダンサーになった夢の中の私。その下の涙型のお盆のようなものは、ダンサーを見つめるたくさんの観客たちです。 |
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フェルトペン・アクリル
この絵では、バックが白で描かれていますが、三日月が出ていることからも分かるように、ここは夜空の下なのです。少年が、プロのギタリストを目指して一生懸命練習しています。頭からは、才能があふれ出してはいるのですが、なかなか世に出たり認められたりすることができません。それでも希望を持って、今日も少年は練習に励むのです。 |
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ポスターカラー
私の母は、私が成人しても、一人っ子のせいか私のことを何でも決めたがり、服も自分と色違いでお揃いのものを着させるような人でした。成人した子どもにとっては、いくら母の愛情とは言え、時には反発を感じるものです。そんな心の葛藤と闇を、「一卵性母子」と名付けて描いてみました。「2人で1人」と言ってもよいかも知れません。 |
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アクリル
人生、楽しいことや辛いことなど、様々なことがあります。その瞬間瞬間に、いろいろな人との出会いをきっかけにして、方向が変わったり進んだり戻ったりします。この絵の主人公も、「山」となった人々に対面し、時には会話を交わしたり励まされたり、時には厳しい視線を感じたりもしながら、自分の進む人生を考えて、頂上を目指しているのです。 |
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アクリル
この絵は、「家族」という題ですが、主には男女の愛し合う姿を表現しています。周りに銀河が流れ、遠くに太陽が輝く月のクレーターの上で、男性が女性を抱きしめ、口づけしています。ハイヒールを履いた女性は、女性としての魅力を精一杯表現しています。まさに、世界は二人のために……です。さて、子どもはどこにいるかお分かりですか。 |
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水溶性鉛筆
顔を覆って女の人が泣いています。理由は、見て下さる人それぞれが、自分の悲しみや心身の痛みに重ね合わせてください。いろんなことが、感情の琴線に触れ、涙が出るのです。でも、大人の女の人は、涙を周りの人には見せず、自分の内面で消化します。この絵で、目から出た涙が口に流れ込んでいるのは、そういうわけなのです。 |